ECサイトの運用業務は、商品登録や受注管理からコンテンツ制作や販促計画立案など、とにかく範囲が広いものです。さらに、日々の運用業務をこなすだけでなく、集客施策の実施やサイトの分析と改善など、ECサイトの売上UPにつながるポイントにも目を向けなければなりません。
そんな中、「他社の上手くいった事例を知りたい!」「効果の出るツール・施策を知りたい!」といった本音を抱えるEC担当者の方が多いのではないでしょうか?
本記事では、弊社が独自調査したメーカーEC担当者向けのEC運用に関するアンケート結果の概要を紹介します。本記事とダウンロード資料を参考にしていただくことで、自社のECサイトで今後どのような改善や機能追加を行い、どのような集客施策に取り組めば良いのか、ヒントがつかめるはずです。
ECに関するアンケートは、こちらから2024年最新版の内容を一部ご覧いただけます。
自社ECで効果が出た施策と運用課題の意識調査
自社ECを運用しているメーカー企業EC担当者145名の回答から、自社ECで「効果が出た施策」と「運用課題」の意識調査結果をまとめました。
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メーカーEC担当者に聞いた!EC運用に関するアンケートとは?
アンケート概要
本記事のデータ元となるアンケートは、下表のような条件で実施しました。
アンケート名称 | ECサイトの機能・集客等 運用に関するアンケート |
アンケート対象 | BtoC向け製品を扱う製造業やメーカーなど、自社ブランド製品のECサイトを運用中、または構築予定の企業にお勤めの方 |
アンケート期間 | 2022年9月14日~2022年9月16日 |
アンケート方法 | インターネット調査(楽天インサイト) |
有効回答数 | 280件 |
アンケート結果 ダウンロード資料 目次
アンケート結果のダウンロード資料は、以下のような構成となっています。
「ECサイトの機能・集客等 運用に関するアンケート」について
本調査では、メーカーEC担当者を対象としてアンケートを行い、280件の回答を回収しました。「ECサイトの運用」をテーマとして、ECサイトの機能・ツール、集客方法、運用課題などのアンケートを行なっています。
アンケート対象については取り扱い商材を限定せず、食品や生活雑貨、アパレルなど、幅広い業種のEC担当者から回答をいただきました。また、本調査のダウンロード資料には、全体集計だけでなく、利用プラットフォーム、年商規模ごとの集計結果もまとめています。
アンケート結果からは、自社ECサイトがある企業とECモールのみの企業、年商1億円以上・1億円未満の企業が、それぞれECサイトに実装している機能・ツール、集客に使っている媒体、さらには、今後注目の機能・ツールや集客方法などが分かります。
本記事では、その概要を紹介します。他社の取り組みの傾向を知ることで、自社のECサイトへの機能・ツールの追加や、集客施策を実施する際の参考になるはずです。
また、アンケートではECサイトの運用に関する課題についてもヒアリングしています。ECサイトの運用業務は多岐にわたりますので、すべてを自社で行うのは負担を感じることも多々あるかと思います。まずは、運用業務の全体像を把握して整理しておくことで、業務の優先順位や目的、ゴールを理解しやすくなります。EC運用業務の全体像については以下の記事でまとめて解説していますので、ぜひあわせてご参考ください。
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本当に必要な機能・ツールとは?Web接客ツールへの期待大
まずは、「実装済みの機能・ツール」「今後実装したい機能・ツール」についてのアンケート結果を一部紹介します。
実装済みの機能・ツール編
「ECサイトに実装済みの機能・ツール」を質問をしたところ、上位5位は以下のようになりました。
商品レビュー・サイト内検索・クーポンなどの機能は、EC構築システムの標準機能として搭載されていることも多い印象です。そのため、新しいツールを導入するというより、既存のECシステムの機能を活用する形での実装も多いと考えられます。
なお、商品レビュー・サイト内検索は40%以上のECサイトで実装済み、お気に入り登録・Web接客ツールは30%以上のECサイトで「実装済み」という回答となっています。また、商品レビュー・お気に入り登録・Web接客ツールについては、2021年の調査と比較して「実装済み」と回答した割合も向上しています。
今後実装したい機能・ツール
ECサイトに今後実装したい機能・ツールを質問をしたところ、上位5位は以下のようになりました。
Web接客ツール・サイト内検索は、「実装済みの機能・ツール」でも上位5位に入っており、ECサイトにおいて広くニーズがあることが分かります。
また、Web接客ツールやチャットツールなど、ECサイト上でユーザーと接点を持つためのツールの人気があることも分かります。これらのツールを活用することで、リアル店舗に近い接客を実現でき、購入率やリピート率の向上にも貢献すると期待できます。
さらに、2位に【該当なし】がランクインしていることも注目です。別の設問ではありますが、ECサイトの運用課題で上位となった「品揃え、商品開発」「ブランドの浸透」といったシステム以外の課題の影響や、「人的リソース不足・スキル不足」といった運用課題が影響していると考えられます。
なお、上位の4機能については、回答者の20%以上のECサイトで「今後実装したい」という回答がありました。また、【該当なし】・【ポイントサービス】については、2021年の調査と比較してその割合が向上しました。
効果的な集客方法とは?SNS活用が圧倒的に増加
ECサイトの集客方法について、「実施している集客方法」「今後実施したい集客方法」のアンケート結果の概要を紹介します。
実施しているECサイトの集客方法
実施しているECサイトの集客方法について、回答の多かった上位5位は以下のようになりました。
SNSについては実施率100.0%という結果になっており、ECサイトの集客方法として定着し、ゆるぎないポジションとなったと考えられます。なお、2021年の調査では、SNSの実施率は58.1%であり、一年間で実施率が大きく伸びたことが分かります。
実施しているSNSとして回答のあった内訳を見ると、Instagram、Twitter、Facebookが特によく利用されていました。一方で、上位5位のSNS以外の集客方法は2021年に比べて実施率が低下しており、他の集客方法のリソースをSNSに当てるようになった事例も多いのではないかと考えられます。
とはいえ、2位のコーポレートサイト・ブランドサイトも実施率は50%を超えており、SNSほどではないものの、集客方法の主流といえます。ブログ・Web広告については、実施率が25%以上となっています。
今後実施したいECサイトの集客方法
「今後実施したいECサイトの集客方法」について、上位5位は以下のようになりました。
この質問でもSNSが1位となり、今後実施したい割合も100.0%ということは、すでにSNSでの集客を実施しているECサイトにおいて、一定の効果が出るか今後の効果が見込まれており、継続して実施したいという状況が考えられます。
SNSの種類を見ると、Instagram、Twitter、YouTubeを今後実施したいという回答が多くなっています。また、TikTokへのニーズも高まっています。
ECサイトにおけるSNSの集客効果として具体的にどのようなことが見込めるのか、以下の記事も参考にしてください。
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なお、2021年の調査と比較すると、SNSが大きく伸びているのはもちろんですが、ブログでの集客を今後実施したいという割合もわずかに増えています。また、上位5位には入っていないものの、オフラインでの集客にも伸びが見られました。
また、5位に【該当なし】がランクインしている点にも注目です。2021年の調査と比較すると、わずかに割合が増えています。【該当なし】の回答理由としては、多くは実施済みの施策である、もしくは既存施策で効果が出始めているといったことが考えられます。
まとめ
本調査では、ECサイト運用の課題として「品揃え、商品開発」「ブランドの浸透」などが上位となりました。また、自由記述での回答も見ると、「人的リソース不足・スキル不足」はECサイト運用における継続的な課題といえそうです。
本記事で紹介したような機能の実装やツールの活用、集客施策などは購入率の向上や新規顧客獲得の増加につながります。一方で、前述の課題のような、EC事業に限らないより包括的な課題への対応も必要になってくるのかもしれません。
本記事で紹介している他メーカーの運用状況も参考にしつつ、自社のECサイトに合った機能の実装やツールの活用、集客方法の実践により、まずは売上アップにつなげていきましょう。
本記事のもととなっているダウンロード資料「ECサイトの機能・集客等運用に関するアンケート【メーカー企業対象・2022年版】(現在公開終了)」では、本記事で紹介した機能・ツール、集客方法に関するアンケート結果の詳細のほか、「効果を実感している機能・ツール」のアンケートデータやSNSの種類別の集計データなども公開しています。
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弊社では、ECサイト構築後に必要な「システム運用」「商品登録・ページ制作」「コールセンター」「Webプロモーション」「アクセス分析・改善提案」「サーバ・インフラ」など、お客さまのニーズに合わせてご提供できます。